<   2004年 11月 ( 10 )   > この月の画像一覧

 

映画「ハウルの動く城」

これほど映画の中に入り込めて、涙を誘う展開でもないのに画面に涙しちゃった宮崎アニメは、はじめてでしたよ。感動!というか、不意をつかれてすばらしい瞬間に出会えた喜びって涙ですね。素晴らしいの一言です。

自分の属する世界とかけ離れたヨーロッパを舞台にしたファンタジーの世界なのに、人物のキモチや行動がすごくリアルに感じたんですよね。
「もののけ姫」では、メッセージを伝えるための状況説明を盛り込みすぎたために、
ストーリーの多軸さが重くのしかかる作品になっていた気がします。
今回は「魔女の宅急便」に近い、主人公ソフィーの目線が届く範囲の描写に徹した描き方。彼女の生きる世界では、戦争が起きていて、普通に魔法使いが存在しています。「ハウルの動く城」が特別なのは、設定上では詳細に決まっていたであろう舞台の世界観を、見事にスッパリと、今現在のソフィーとハウル、その2人に直接かかわってくるキャラクターたちに絞り込んでストーリーが描かれていること。ファンタジーの要ともいえる設定世界の奥行き感がなくなってしまいそうですが、1つの魔法が映画の可能性を大きく広げました。

18歳の娘が、荒地の魔女にかけられた呪いによって90歳のおばあちゃんになってしまうこと。カラダは90歳でも心は18歳という単純な描写じゃない、人がある年齢によって得られるキモチのありようやあきらめ、また人生が大きく前に進んでいく時の高揚感が、すごい幅を持ってソフィーという1人の女性の中に描き込まれているんですよ。世界観の奥行よりも、人生という奥行の描き込み。これって、実写でできない、アニメーションだからこそできる表現ですよね。
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ソフィーの変化は、歳を重ねてきて分かることなのかもしれません。肉体は衰えても、心の年齢はそう変わるものではないこと。けれど、歳とともに捨てるものが少なくなってきて、心の振れ幅がどんどん狭くなっていくこと。
洗濯物を干しながら、椅子に座って湖をみているソフィーの後姿。それは、90歳のおばあちゃんの姿。ハウルと一緒にいて高揚している時の18歳の娘の姿。三つ編みを愛らしい火の悪魔カルシファーに捧げた後は、宮崎アニメでお馴染みの凛々しい目を持ち、自分の人生を自分の手で作っていこうとする若い女性キャラの姿。
言葉では語れない、感覚的なキモチのあり方が、見事に画面で表現されているんです。声を当てた倍賞千恵子さんの声の変化も素晴らしい。冒頭の娘の時の声に違和感があるって感想の人も多いのですが、その後の声の変化を聴くと、若くして自分の人生を諦めちゃってる老婆のような娘だったからなのか…と思い返せます。単純な声質の若さを出すためなら、デジタルでいくらでも処理できるのに、そうしなかったワケがあるんですよ。

ハウルはいかにもな美形キャラですが、髪の色を間違って染めてしまい、思い切り凹んでカラダがドロドロになっちゃうような、情けないとこもあるヤツ。
外に見せている姿と、家の中での「素」にギャップがあるのってのは、リアルだよね。外で戦っていることを、家庭に持ち込まないのも、家の主らしいし。
強大な力を持っているのに、それを自分のためにしか使おうとしない、ってのが魔法の師匠であるサリマンのハウルに対する評価。その力をサリマンのように権力と融合させて支配の道具として使うことを拒んだ結果が、結局は自分の自由を守るためだけに力を使うことになったんじゃないかな、ってのが僕の感じ方。
ちなみに、公開前にさんざん話題になったキムタクの声ですが、決してヘタじゃないし、ハウルというキャラクターに命を吹き込むのにこの人以外じゃ説得力ないかも、と思うキャスティングだと思いました。抑揚のないしゃべり方もぴったりですよね。だって、彼に心が戻るのは最後の最後なんだから。

キャスティングでいえば、宮崎監督が絵コンテをきる段階から決めていたという、荒地の魔女=美輪明宏は、さすがにハマりまくってました。
宮殿の長い石階段を重いカラダでぜぇぜぇで登る件は、哀れなんだけど爆笑。
あああ、お顔が、化粧が、ぐちゃぐちゃ。絵じゃなかったらホラーです(笑)
先に登り切ったソフィーばあさんに声をかける、執事みたいな人の手もおかしくて、このシーンはすごくお気に入り。
ところでこの人は、ハウルが優しく接した娘に、いちいち呪いをかけて回ってたんですかね。執着の仕方をみると、それもアリなんでしょうね。

にしても、これほど魅力的なキャラクターの数々、イメージの広がりはさすがな宮崎印です。カシルファーは、一緒に住んでもいいって思えるくらい気に入ったし、一番だったのは荒地の魔女の従者。動き方も含めてイイ感じでした。(さっそくフィギュアを注文しちゃった)

画面のクオリティは、当たり前のように文句のつけようがありません。
風景の美しさに思わず涙してしまったし、構図のうまさには拝んでしまいます。
戦争の描き方については、相当気を遣っていると感じました。イラク戦争の最中に制作した作品ですからね。空爆シーンでは、爆発で破壊される家を外からだけでなく内部からも描いていることで、隣で観ていた小さな男の子が怖がってたもん。
〈動く城〉は、もっとCGっぽいのかなーと思っていたけど、「ナウシカ」の王蟲みたいでした。位置づけも近いかな。王蟲が腐海の象徴だったように、動く城は定住している一般人とは違う家族のHOMEの象徴って感じかな。

ひとつ、どうよ?という部分を強いて言えば、カカシの正体が「をいをい」ってところでしょうか。

「ハウルの動く城」がすごくハマった理由を考えると、いろんなものが集まってる居心地のいい場所、HOMEのあり方ってのが、自分の家族と近いからなんだろうな。
朝遅く出ていって夜遅く帰ってくるだんなと、やたら動植物に好かれるゆいと、3匹の猫との生活(その他、いろんな空想上のキャラが2人にはいるんだ)。
そして、このお話って、人と人との信頼感を描かせたらピカ一の成田美名子「エイリアン通り」なんじゃないかと思ったわけ。
どんな時代や世界を舞台にしていても、つまりはそういうことが、大切ってことだよね。

@僕がこれほどハマったこの作品ですが、感覚的な部分も多いせいか、エンドロールが終わって退場しながら「よくわかんない」と口にしている人も多かった。
どこかでこの作品は「右脳で観る映画」と紹介されていたらしいのですが、まさにその通りですね。友だちだったら、いろんな感想持つのも当然だよなーで済みますが、もし一緒に観に行った彼氏、彼女といいも悪いも同じ感想を持てなかったら、長く一緒に生きていくのに感覚のギャップがキツくなってくるかも(^^;

(2004.11.28 ヴァージンシネマズTOHO 六本木:スクリーン7)


「2004.12.12 追記」

今日、「ハウルの動く城」をまた観てきました。日比谷のスカラ座1は、DLPでの上映で、画も音も最高でした。とくに背景画の鮮明さには息をのむほど!
そして、1度の鑑賞でどれほど多くのことを見落としていたかが分かって、自分に驚くと同時に、作品の素晴らしさにあらためて深い感動を味わいました。
あれこれ自分なりの解釈を広げましたが、なーんだ、映画の中にちゃんと描かれてるじゃん!自分なりのイメージを膨らませていたからこそ、その差異を細かく観ていくことができたのかなぁ、とも思いましたが。

というわけで、12/1に追記した終盤におけるソフィーの心情については、かなり自分勝手な解釈が含まれていたことが分かったので、これから観る方を混乱させないように本日をもってカットしました。コメントいただいたみなさま、すみません(^^;
カットしたテキストは、自分のHDDの中にデータで保存しておきます(笑)

ぜひ、2回観てください。かなり物語と世界の構造が分かってくると思いますよ。
できればDLPでご覧になることもおすすめします。

@あらためて倍賞さんと美輪さまの演技のうまさに打ちのめされました。
@ソフィーが元住んでいた家に越してきて、かつての作業部屋に入っていく時、年齢がものすごく細かく変化しているのが分かりました。ここでのソフィーの心情を語ろうと思ったら、秒単位で絵を追わないと…。


僕のレビューでは、人物に寄った内容で、言葉で説明しないにしても画にするために必要となる緻密な世界構築については触れませんでした。
一番重要な「城」についての考察。魔法の動力で動きながら、あの装甲が必要であることなど、FumiyaさんのBLOG記事が丁寧に分析していて、読み応えがあります!

またいろんなBLOGをめぐる中、bamboohouse:『ハウルの動く城』自分流ハッピー解釈が、相当に映像の読解力のある方のとってもすてきな内容でした。ぜひぜひ読んでみてください。

『ハウルの動く城』自分流ハッピー解釈
続・『ハウルの動く城』自分流ハッピー解釈
『ハウルの動く城』自分流ハッピー解釈・その3
『ハウルの動く城』自分流ハッピー解釈・その4
『ハウルの動く城』自分流ハッピー解釈・その5



「ハウルの動く城」公式サイト
◆制作に特別協力している読売新聞社のヨミウリオンラインでは、「ハウルの動く城」関連のニュースをまとめて読むことができます。
◆原作:魔法使いハウルと火の悪魔 ¥1,680
日本では児童文学とされているけれど、ヤングアダルト文学。この原作がどう宮崎色に染まったかも興味ありますね。宮崎版ではサラッと描かれた部分の秘密も。
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  by tzucca | 2004-11-29 01:57 | → MOVIE

ボジョレー・ヌーボー解禁日

a0028078_12650.jpg「解禁」って、なんでもキモチ踊るよね。
普段ほとんどお酒飲まないヤツですが、イベント・デーには素直に便乗して、この日にボジョレー・ヌーボーを飲むことに決めてます!(力説)
でも1人でちびちびするんじゃ寂しいからね。職場にボトル1本持ち込んで、定刻退社時間すぎ、チームのメンバーにお裾分けして飲んだんだ。ちょっとお祝い事みたいな雰囲気で嬉しいもんです。
(気を遣う上司っていうより、自分の楽しみのためにですよ。)

うわっ。軽くてフルーティ!でも喉ごしは透明感あるワインの香り。ボジョレー・ヌーボーだねぇ、このテイスト。思わずうふふと含み笑いがでちゃう(^^)
どんどん飲めちゃいそうなんだけど、カラダの芯がポッとあたたかくなって、けっこう来るんだよね。って毎年同じこと書いてますね。今年のもイイ感じでした。
キモチいいわぁぁ〜(^^)仕事になんねーわ。ほっほっほっ。

最高の出来と言われた昨年、ちょっと高めのヴィラージュ・ヌーボーを買ってみたんだ。それがやたらおいしかったから、あの感動をもう一度味わいたくて、ヴィラージュものをネットでオーダーしてたわけ。
ワインのうんちくなんてないんだけど、ヴィラージュ地区のヌーボーは、ボジョレー地区のなかでも品質が1ランク上なんですね。あとから知った(^^;

a0028078_123049.jpg今年飲んだのは、これ。
カーヴ・ド・ベレール・ボージョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー・ベルエアリシーム 2004 (名前長っ!)
樹齢65年の貫禄ある完熟葡萄のみ厳選。すべて手摘みの収穫、しかもノンフィルターという品でございました。ごっくん。




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  by tzucca | 2004-11-18 23:55 | → DRINK&FOODS

よい人

会社帰りの大江戸線は、たいてい座ることができる。
大江戸線はなにげによく眠れるから、座ってすぐに寝入ってしまった。iPodで「きみまろ」を聞きながら。
いつもは、不思議なくらい降りる駅の少し前でちゃんと目が覚めるのに、今日は完璧に熟睡モード。
意識が覚醒した時、目の前にはダークグレーの布。んぁ、枕?ここ、どこ?
そこでギアがガッ、ガッ、ガッとシフトアップ。一気に状況を解析。
俺は、右隣に座っていたスーツ男に思い切りもたれかかって、寝入っていた様子。いや、目を覚ました視界からして、もたれかかるなんてもんじゃなく、股におでこつけて寝ていたかも!(すげームリな体勢じゃん)
「す、すみませんでした。ごめんなさい。」
目を合わせるのも恥ずかしく、早口で謝る。男は、とくに怒っている様子ではないけど、ちょっと頭下げただけで無言。やべぇわ、俺が若い女の子ならともかく、悪いけどあなたより年上の男かもですよ。

車内が全体に明るくなった。駅構内に入ったらしい。助かった、気まずいからここで降りよう。ふと窓から駅のホームを見る。げげっ、2駅乗り越してる!
停車するとドアが開くよりも前に立ち上がり、隣の男に一度頭を下げて、逃げるようにホームの反対側へ歩き出す。
ふ〜。俺としたことが、失態だわ。
反対方面の電車はすぐには来なくて、ホームでぼぉ〜と立ちつくしていた。
なにげなくホームの奥に目をやる。
ええっ?
さっきの男が、ホームの奥で、電車を待っている。
咄嗟に俺は、柱の影に身を隠す。
どういうことだろう?もしかして俺のせいで、彼は降りる駅で降りられなかったのでは。起こしても起きなかったのか?俺。それとも、とてつもなくいい人なのか!?

俺は、柱の影にぴたりとはりつき、早く電車来てくれぇと願うばかりだった。
耳には、「きみまろ」トークライブのおばちゃんたちの笑い声が鳴り響いていた。

@先週の金曜日の夜の出来事。「春日」駅まで枕にしてしまった方
、ごめんなさいでした!
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  by tzucca | 2004-11-16 01:36 | → LIFE

[記事100本目記念]酸素カプセルに入ってみた

a0028078_2126173.jpgジムに期間限定で「高気圧酸素カプセル」ってのが置いてあったんですよ。
当然、興味津々の僕。その物体をあんまりジロジロ見ていたので、受付のおねえさんが「興味ありますか?いかがですか?」と声をかけてくれたのを待ってましたとばかり、「筋トレ終わる時間くらいに予約できますか?」とさっそく予約。

この物体について、説明しましょう。
米国軍事用開発企業とNASAとの技術提携で開発されたもので、水深2〜3mくらいの高気圧の中で、通常の呼吸では不可能な量の酸素を細胞の隅々に溶け込ませることができるんだって。
溶解型酸素というやつらしいのですが、通常のヘモグロビンと結びついて体内に送られる酸素よりも、遙かに微小で毛細管血管を通過して、効率よく全身の細胞に行き渡らせることができるらしいです。

このシステム、サッカーのベッカム、稲本、中田も使ってる秘密兵器だそうですよ。

酸素が効率的に体内に行き渡って細胞が活性化していないと、せっかくのトレーニングも効果半減以下だし、集中力も落ちるそうで。慢性的な酸欠人間っぽい僕としては、「あるある」に教わった通りヘモグロビンを増やす目的で、サプリメニューにヘム鉄を加えたくらいです。酸素バーにも行ってみたかったし。

イントロはこれくらいで。
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では、さっそくカプセルに入ってみましょう。
気圧をあげていく段階で、「耳抜き」をする必要があるらしいので、まずは事前に練習。やったことないから、コツを掴むのにちょっと苦戦(不器用なんで)
カプセルの下は眠りやすそうなマット。そこに体育座りになってから、カラダを倒して仰向けになります。チャックが閉められ内部が膨らむと、カラダの周囲は、小さな前へ習えをした手先までくらいのスペースに。
これはもしかして、棺桶の中にいる感じってやつ?「キル・ビルvol.2」の棺桶から脱出を試みるユマ・サーマンになった気分(笑)
でも、周囲がやわらかい素材で光を通すから、棺桶に閉じこめられたって閉所不安は感じませんでした。

気圧が徐々に上がりはじめると、透明になった小窓の近くにスタッフがついて、体調と変化に応じて気圧の調整をしてくれてます。
今気圧は水深2mくらいです。と言われたところで、両耳にちょっと異変。さっそく耳抜きを試してみる。あんまり変わらないから、何度も試してみる。
水深2.5mを過ぎたところで、右耳だけが付け根から急に痛くなってくる。あら、ヤバイかも。大丈夫ですか?と聴くスタッフに、右耳だけ痛いというと、気圧を2mくらいまで戻してから、頭を少し持ち上げて唾を飲み込んでください、とのアドバイスに従って安定してきました。

気圧も安定したので、あとは30分くらい、ぼ〜としているだけ。
カプセル内は、好きなアロマ(僕はレモンバームを選択)を染みこませた布が枕元にあって、枕はアイスノンみたいに冷やっと柔らかく、キモチいい。
内部は暑いわけではなく、バスタオルを1枚カラダにかけて調度いいくらい。
うつらうつらしてきた…。ここはどこだろう?今地震が来たら置き去りにされるのかなー、なんてことぼんやり想いながら、気がつけばぐっすり。

「時間になりました」と小窓にかけられたタオルがめくられて、ほぇっと気がつく。
あらやだ、ぐっすり寝入ってしまったぃ。
気圧が元にゆっくり戻って、チャックが開かれカプセルから出ると、SF映画の睡眠カプセルから出た宇宙船乗組員のように、ぼ〜とふらつきながら身支度を整えました。今このカラダの中には、酸素さんがまんべんなく行き渡っているのでしょう。
うをををーし!(と言っても何が変わったのかはよく分からない)

キモチいいんだけど、はじめの気圧が上がっていく時の耳の不快感は、やっぱ慣れが必要かなぁ。
でもこのカプセルは、ストレスや疲労の解消、ダイエット、美肌、アンチエイジング、免疫力アップ、スタミナアップ、記憶力と集中力アップ、リラクゼーションと、僕が欲しい効能のオンパレード!(古い表現)
銀座1丁目に店舗があるので、バッテリー切れ起こしたら、そこでまた試してみようかな…。割引券もらったし(笑)

@でも、酸素の効き目は、マッサージと同じようにその時だけです。

◆店舗の紹介:AQUA ED ARIA GINZA
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  by tzucca | 2004-11-14 21:24 | → LIFE

スチャダラパーってな気分♪

始まりますよぉ。始まりますねぇ。いよいよですよぉ。どきどきですねぇ。
---って分かる?スチャダラパー「ノーベルやんちゃDE賞」の出だしですよ。
はじめてこの曲聴いた時は、相当笑い転げた記憶がありますよ。
そして「サマージャム'95」。これほど夏の過ごし方をリアルに歌った曲ってアリか?というゆるゆるな歌詞。今年の夏は猛暑つづきだったから、まさにこの曲テーマソングにどうよ?ってなピッタリ感でした。

先週の終わりから今週いっぱい、作らないといけないものや打ち合わせが建て込んでいて、しかも作ったものはなかなかOKにならず修正の連続。どーしたんだ、俺。ツボをはずしまくってるか?一発OKの時代はもう過ぎちゃったのかな…(そういう時もあったという話)

そーんな、作り笑顔もはりつくゲンナリ気分な時、ウチのチームのMくんからスチャダラパーのCDを2枚借りたわけ。
うっひゃー、なつかしー!乾いた土に染みこむ水のように、スチャダラなノリが俺の
心に潤いをくれちゃったよ。と、アゲに入ったところで、ふと曲名に目をとめる。
「サマージャム'95」
視界が「'95」の部分に30倍ズームイン。95って95年ってことだよね?
どひゃー、あれからもう10年経とうとしているの?10年一昔とは言いますが、デジタル&ネットの時代になってからは、1年がそれまでの2〜3年に相当するドッグイヤーと化しているから、20〜30年経ったって換算?
愕然。

ちょうど数日前、お仕事しながら聴いていたJ-waveで、スガシカオがオザケンの「今夜はブギー・バック」をかけてて。ちょうど「サマージャム'95」のちょい前くらいに流行ったもんね、なんかタイムリー♪ってマウスを持つ手を止めて聴き入ったわけ。
で、その時スガちゃんが言っていたこと。
「当時はもっとイケイケなノリだった印象があるけど、今聴くとすごい低い声…」
そうそう。ちょっと低血圧気味のノリが、なんかカッコよかったんだよね。
「ブギーバック」が妙に時代を感じちゃったのに、スチャダラには感じないのはなんでかな?それって、歌詞っていうか今で言うとリリックってやつが、クールに決めるにはほど遠い、ふつーの男同士の会話そのまんまで、トホホな生き方そのまんまだからなんだろうな。漫談的なノリが、酒入ってテンションあがった時の気分のよさだったり、仲のいいヤツと長電話しちゃった後みたいな感じなんだよね。そういう時って、なにげに「自分のダメさかげん」を暴露しあったりするでしょ?(笑)あの感じ。

思えば、最近の日本のRAPって、クレバは言葉がキモチよく入ってくるけど、怒った顔して強引に韻踏んでるやつらも多いよね。元々ブラック・カルチャーとしてのRAPはそういうものだったりするけど、今のこの日本で、そこまで自分を押しつけられても…と思うことも。ところでキミたち年金払ってるの?会社員だけ強引に払ってるのって、不公平じゃない?とかつっこみたくもなったり…。

スチャダラパー好きさんは、「ノーベルやんちゃDE賞」「サマージャム'95」「ジゴロ7」が収録されている『5th wheel 2 the coach』(1995年)をベストアルバムに挙げている人が多いね。
僕が今iPodで無限ループしてるのは、『WILD FANCY ALLIANCE』(1993年)です。「ヒマの過ごし方」はサイコー!他の収録曲も、最高の音のサプリになってる。
最近気分がメゲてる多忙さん、このアルバム聴いて、ヒマってものを見つめ直そうじゃないですか。(なんかR25の記事みたいなシメ方)

スチャダラパー・オフィシャルサイト(更新2003年でとまってますケド)
◆言葉のリズムって言えば、「男はつらいよ」の寅さんの<啖呵売 >口上もサイコーです。このフレーズ覚えて、なにかの折りにツルッと口から出たら粋だろうなぁ。

■カンケーないけど、スチャダラパーのノリで、TSUTAYAで綾小路きみまろのCDを借りてきちゃった(^^; よく聴いているJ-WAVEの「Groove Line」で、ピストン氏がきみまろをDJ-MIXねたでよく使うんですよ。とくに「ナウシカ」のサントラと混ぜた時の、必要以上な哀愁ったら!
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  by tzucca | 2004-11-13 16:18 | → LIFE

アラン・スミシーという名の監督

映画ファンならご存じでしょう、アラン・スミシーという名の監督。
はじめての作品は、1968年の「夏の日にさよなら」。その後の代表作としては、1989年「ハートに火をつけて」、1994年「デューン・砂の惑星 特別編(TV)」、1996年「ヘルレイザー4」など。すべて、ワケありの作品たち。

アメリカ映画業界では、監督よりも、映画会社とプロデューサーの方が権力を持っています。『未来世紀ブラジル』を監督したテリー・ギリアムが、映画のエンディングをハッピーエンドに変更しろと要求する映画会社に対して<最終編集権>をめぐる戦いを挑んだことは有名で、その顛末は『バトル・オブ・ブラジル』という本にまとめられています。
結局その戦いは、監督の意図する<ディレクターズ・カット>版をゲリラ的に上映して、権威ある賞を先に獲得したギリアムの勝利に終わったけど、それは歴史に残る稀な出来事だったらしい。『華氏911』のマイケル・ムーアも同じような戦術で、作品のオクラ入りを免れたケースだよね。

もしも『バトル・オブ・ブラジル』の勝者が、監督でなく映画会社であったなら。
『未来世紀ブラジル』は、男が彼女と結ばれる夢想シーンを現実の出来事にして、そこでエンドクレジットとなってました。そして、テリー・ギリアムは「これは俺の作品じゃない!」とブチ切れて、クレジットから自分の名前を削除するでしょう。そういう事態になった場合、全米監督協会では、空白となった監督名に「アラン・スミシー」という名前をはめ込むのが習わしになっています。

ちなみに先に挙げた作品の本当の監督は、「夏の日にさよなら」がジャド・テイラー、「ハートに火をつけて」がデニス・ホッパー、「デューン・砂の惑星 特別編(TV)」はデビッド・リンチ、「ヘルレイザー4」はケヴィン・イェーガー。
決して傑作を生み出すことのない、アラン・スミシー監督作品になってしまった不幸な作品たち。

また、ここ数年DVD等でリリースされる<ディレクターズ・カット>というのは、特殊効果をデジタル技術で本来描きたかったイメージに作り直した「エクソシスト」「E.T.」の例を除けば、監督が意図した通りに撮影・編集した完成版のことで、実際公開されたのが、映画会社やプロデューサーによって再編集されたものだったケース。
ブレード・ランナー」がいい例ですね。

つまり。作品の作り手と、制作の依頼主の間には、つねにヴァーサスがあるってワケです。
映画のような大がかりなプロジェクトでなく、企業のWEBサイトを作る僕らでも、それはしょっちゅうです。とくにWEBの場合は更新があるので、納品時は僕の作品だったけど、その後の更新で「もうウチの子じゃない!」というページがけっこうあったりします(苦笑)
残念なのは、WEBの場合、ディレクターズ・カットが再登場することはないってこと。アラン・スミシーは、アラン・スミシーのままなんです。
でも、あきらめずに、アラン・スミシーにならないよう、意地をはってるワケ。

(追記)
「EZ/TV」を観ていたら、清水崇監督自らメガホンをとった「呪怨」のハリウッド・リメイク版「The Grudge」が、全米チャート2週連続第1位をとったリポートをオンエアしていた。やっぱり、監督の考えをたくさんいるプロデューサーに分かってもらうのが大変だった、とインタビューで言ってました。でも、成し遂げたのだからスゴイと思う。結果を出せたことはスゴイよ。


アラン・スミシー監督作品リスト

◆本文で紹介した本「バトル・オブ・ブラジル 『未来世紀ブラジル』ハリウッドに戦いを挑む」は、現在絶版。図書館や古本屋で見かけたら読んでみて。
[書籍DATA]著者/ジャック・マシューズ、訳/柴田 元幸、ダゲレオ出版、定価2,200円 0098-89008-4500(1989年4月10日初版発行)
→と思ったら、楽天の古書でありました!ここからどーぞ!なくならないうちに。

◆「アラン・スミシー・フィルム」は、もしもアラン・スミシーという監督が実在したら?という作品。スタローンやジャッキー・チェン、ナオミ・キャンベルという有名人が実名で登場する内幕ものですが、この作品も監督がアラン・スミシー名義なんですよね(監督はアーサー・ヒラー)
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  by tzucca | 2004-11-07 17:00 | → MOVIE

とらやの和菓子をください

宮廷晩餐会に招かれる身分でなくても、ハイソなたしなみを身につけておくに超したことはありません。
ご婦人への手みやげには、とらやの羊羹。黒と金と虎の紙バックのあれです。これで若気のいたりの不躾も、とりあえず大目にみてもらえるでしょう。
目上の男性への手みやげにも最適。「奥様にこれを…」の一言で、あなたのオトナ度は完璧(うふ)

たった一度、とらやの通販を利用したことがあるので、ご贈答の季節になるとカタログが送られてきます。カタログのデザインより、正直bAさんの作ったウェブ・サイトの方がはるかに上品でステキなのですが、ご挨拶状を含めたテキストの上品さには参ります。
ページ下に小さく記された『記載されております「日保ち」は目安でございます。賞味期限は商品に記載してございますので、ご確認の上お召し上がり下さいませ。』という一文を目にするだけで、気分はマダムでございます(笑)

とらやのサイトにある「とらやの伝統と文化」ページをご覧下さいませ。
よくある企業サイトの「沿革」ページとは、<格>が違います。なんてったって、1500年代からはじまるんですから!まさに、和菓子の歴史は、虎屋の歴史です。

とらやの羊羹は、本当に上品な味、上品な甘さ。和菓子の特長でもある見た目の美しさも、実にアーティスティック。伝統と格式を思い知ります。
伝統をトレースするだけでなく、あずきの可能性を洋菓子とのコラボレーションによって、<おいしい発見>を味わうことができる、六本木ヒルズ「TORAYA CAFE」というチャレンジ精神も忘れていません。一流の老舗こそ、未来もその存在が第一線であるために、先端への挑戦を継続しているのですね。

というわけで。誰か僕にとらやの羊羹をください(本音)
そうねぇ、一度に食べきれないから2本に分かれている「双羊羹(ならびようかん)®」の夜の梅、阿波の風、おもかげあたりがいいかな。
ねぇねぇ、誰か…。
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  by tzucca | 2004-11-07 03:34 | → DRINK&FOODS

キリン「スープ ストック トーキョー」

a0028078_23574429.jpgハロウィンが終わって、有名スポットではクリスマス・イルミネーションがすでに。
をいをい、もうクリスマスかよ!早っ!
と思っていたら、コンビニのホットドリンク・コーナーに、「Soup Stock Tokyo」の新製品が2本。ウィンター・シーズンがやってきましたねぇ、ましたよぉ、って気分。

カジュアルにおいしいスープをいただけるスープ専門店「Soup Stock Tokyo」は、けっこう前からファンだったんですよ。今はなき赤坂BLITZで、ダンス・イベントを観たあと、Soup Stock Tokyo赤坂店でスープセットというのが定番でした。
会社の近くにあればいいのに…と思っていたら、昨年缶スープとして発売されて、狂喜乱舞。先シーズンの「トマトとえびのクリームスープ」と「五種の野菜のグリーンスープ」は、本当にお世話になりました、というくらいいただきました。

今シーズンは、「とろとろオニオンのコンソメ」と「海老と蟹のトマトスープ」。先シーズンのメニューに比べると、ちょっとインパクトが弱いかなぁ。
たまねぎと香味野菜をコンソメで煮込んだオニオン・コンソメは、たしかにおいしいんだけど、わざわざSoup Stock Tokyoとして出す必要あるのかなぁ。おいしい缶スープをめざしてスープ専門店と組んだ商品だから、この定番をまず越える必要があったのかな。
海老と蟹のトマトスープは、お店にある「オマール海老とわたり蟹のスープ」がついに?と思ったけど、オマールじゃない海老とわたりじゃない蟹のスープです。でもこれは、Soup Stock Tokyoらしい味に仕上がってます。
あと1種類、追加で発売されるようですが、まだ秘密みたい。
野菜系がないのは、台風で野菜の値段が高騰しちゃったせい?
お店にある、牛肉と野菜のトマトベース「ハンガリアン グーラッシュ」が好きなんで、それに近いメニューを出してくれないかなぁ。

「キリン スープ ストック トーキョー」
2004年11月2日・1都13県エリア限定発売 190g缶
・海老と蟹のトマトスープ :160円
・とろとろオニオンのコンソメ:150円


Soup Stock Tokyoのサイト
キリンビバレッジのニュースリリース
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  by tzucca | 2004-11-06 23:57 | → DRINK&FOODS

「THE BIG ISSUE」

高級ブランドのメガショップが密集している銀座を歩いていて、ふと灰皿が視界に入ったので一服していこうと近づいて行きました。中央区は歩きタバコ厳禁だからね。その途中、路上でなにか売っている男の前を通り過ぎた時、彼が手に持っていた冊子に「THE BIG ISSUE」の文字を見つけ、2、3歩バック。
「それ1冊ください。」男はこれ以上ないってくらいの率直な笑顔になって、手に持った冊子でなく新しい冊子を取り出して手渡してくれました。その手に200円を渡して、僕も笑顔になってその場を立ち去りました。

「THE BIG ISSUE」ってご存じですか?
ホームレスの仕事をつくり自立を応援するための、雑誌です。
ビッグイシューの行動規範を守ることに同意したホームレスの人たちが、1冊200円の雑誌を10冊無料で受け取り、その売り上げ2000円を元手に、以降は90円で仕入れ、200円で販売し、110円を彼らの収入とするものです。
雑誌を販売していくことで、ホームレスが収入を得ることを支援するロンドンで始まった事業です。

日本で販売されているものは、「ビッグイシューの日本版」です。
今号の巻頭インタビューは、新作「メダラ」をリリースしたばかりのビョーク。「日の名残り」の著者カズオ・イシグロの紹介記事。日本人の平均睡眠時間が少ない統計をもとにした睡眠の特集など。
紙や印刷など冊子の体裁は、フリーペーパー。でも、中身はけっこう読み応えあります。企業がつくるばらまき用フリーペーパーより、はるかにちゃんとした雑誌です。
バックナンバーでは、巻頭インタビューに蒼々たる人物が登場しています。アウトキャスト、ジョージ・マイケル、ブラッド・ピット、シャーリーズ・セロン。なんとなく「CUT」なセレクトですよね。世界規模のプロジェクトだから可能なんでしょうね。

これに200円を払う価値があるかどうかは、人それぞれでしょう。
ホームレスにならざるを得ない理由は、さまざまです。そういう人たちに対して、なにかしようと思うことに、何の価値も感じない人だっているでしょうね。
でも僕は、あれほど素直な人の笑顔をもらえたことに対してだけでも、200円の価値はあると思いました。それも販売者それぞれでしょうけど。

街を歩いていて、もし「THE BIG ISSUE」の文字を見かけたら、まず1冊買ってみてから、判断してみて。

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  by tzucca | 2004-11-04 02:55

ネタバレ厳禁!映画「SAW ソウ」

a0028078_319535.jpg白いタイルの広い浴室に、鎖でつながれた男が2人。部屋の対角線に位置する彼らの真ん中には、頭を銃で撃ち抜いた自殺死体。
まるで「CUBE」の出だしのように、唐突で異常なシチュエーションから始まるこの映画。やがて少しずつ分かってくる状況の詳細と、ゲームの残酷さ。この語り口の巧みさは、見事にハメられます。広告コピーにあるように、「CUBE」と「セヴン」、そしてダリオ・アルジェントの映画が好きな人には、かなりイケる映画の登場です。

異常な状況で、情報が少ししか与えられないと、観客はその少しの情報に飛びついて、状況把握のヒントにしたくなります。タイムリミットとそうなって欲しくないと願う心理の波をつかんで、オレオレ詐欺のように先手を打つ展開。
密室で動けない2人と、過去と外の世界で交錯する伏線。ちらばったピースが、2つ3つと合わさっていくうち、ちょっと予想外な絵柄が浮き上がるジグソーパズルのよう。ピースそのものはありがちなねたで、ヘタすればアイデア負けしちゃいそうなところを、サスペンスの手法とホラーを合体させたソリッドな演出で、終始心臓バクバクでした。よくできた映画です!

「シックス・センス」のように、ラストを語るのは厳禁の映画。
でも、途中でラストが分かることはまずないでしょう。そして、観終わったあと、タイトルの意味が分かってにやりとします。

この作品が驚くべきなのは、若干28歳の監督が18日間で撮りあげたものだってこと。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のような低予算を逆手にとった作り方ではなく、きちんと正攻法で作られた映画なんですよ!情熱と勢いで、やりたかった企画を自分たちの手で実現させているパワーが、確実に映画全体のテンションに反映されていると思いました。

「生」を実感できるのは、それが危機に瀕した時。
余計な事前情報を入れずに観るべし!
*パンフはネタバレしてます。観る前に買わないように。

(2004.11.1 ヴァージンシネマズ六本木)

「SAW ソウ」
2004年アメリカ映画・103分・ビスタサイズ・ドルビーデジタル
監督:ジェームズ・ワン
脚本&主演:リー・ワネル

■日本公開は、サンダンス映画祭、カンヌ映画祭で上映されたバージョンより、表現やいくつかのシーンを緩和させた全米公開バージョンで上映されています。
サンダンス/カンヌで上映された"問題の多いバージョン"は、日本では東京ファンタスティック映画祭での1回のみの上映でした。


「SAW ソウ」オフィシャルサイト
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  by tzucca | 2004-11-01 23:55 | → MOVIE

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