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9/20 マドンナ・東京公演!

a0028078_1304781.jpg日本公演が決まった時、チケット料金の高さにちょっと尻込みしてしまったけれど、ステージを見終わった今、味わった満足感にチケット料金のことなど忘れ去っちゃいました。

ほんと、凄かった!なにがって、ショーの演出、ステージセット、ダンサーのハイレベルな肉体表現、VJ映像のクオリティの高さ、過去のヒット曲のアレンジ、メッセージ性の強さ、そしてそのすべての中心に存在し圧倒的なオーラを放つマドンナ!
2時間のショーは、翌日になっても余韻から醒めることなく、仕事さえ無ければ追加公演にまた行きたい!と思ってしまったほど。

■なにがすごいって、やっぱり肉体のパワー

今年48歳とは思えないプロポーションのレオタード姿や、十字架に磔となるパフォーマンスが話題になっていますが、それはショーを構成するほんの1部分。ダンスパフォーマンスとギター演奏をしながら20曲を歌いきる、そのパワーに驚愕すべき!
ステージセットやショー演出、巨大スクリーンのイメージ映像といった、作り込み部分を極上品で固めながら、ステージに立つあらゆる人間が常にフルパワーで肉体表現している様を目にして、心穏やかでいられるはずありません!出だしからそんな飛ばして、最後まで保つのか?と心配になるほどのテンションを、「ラッキー・スター」から「ハングアップ」へつながる最高の高揚感を迎えるラストまで、駆け抜けられちゃうのがスゴイ。

クリエイティブに関する嗅覚の鋭さがマドンナというアーティストのグレード感を高めているけど、それを自身の肉体を使って表現するにあたって、相当な努力をしているのが分かりますね。
パワーヨガやコントロールされた食事など、メンタル面での強さだけでなくカラダのメンテナンスに相当注意を払った生活をしているのを記事などで読むと、カッコよく生きるってことは、普通じゃできないことをやり遂げることができる結果なんだな、ってつくづく思いますよ。

■ダンサーのレベルが違う!

さてさて。マドンナのパフォーマンスといえば、やっぱりダンサーに目が行っちゃいます。13年前のツアーでは、マドンナのバックダンサーという役割だったダンサーが、今回のステージではダンスの部分だけでも独立したステージとして完結できるほど、レベルが格段に違ってました!
圧巻だったのは、5曲目の「Jump」。鉄パイプで組み上げられた平行棒や"うんてい"のセットが頭上からステージに降りてきて、上半身裸の男性ダンサー達が、しなやかにその鉄パイプの間をすり抜け、飛び越え、掴んで回転し、ジャンプし、空中回転するんです!軍隊の訓練のようでもあり、獣が人工の森を駆け抜けていくかのようでもあり、とにかくものすごい肉体の躍動感!
そして、ソロのダンスでは、苦悩や怒りや欲望をぶつけるかのようにパワーがカラダから発散されるわけ。
ブレイクでは、軸の安定したヘッドスピン!とっくみあいの喧嘩のようなカポエラ、ジゴロ風な長髪男のハウス、ジャズもあったし、ニューアレンジの「エロティカ」ではソシアルダンスまで!
こんなにいろんなジャンルのダンスをこなせるなんて!驚き。口あんぐり。

でも「エロティカ」が健康的なアレンジになっていたのには、ちょっと苦笑。あの退廃的な世界観はすでに「今」じゃないのね(涙)
それでも「Like a Viegin」の今風アレンジはカッコよかった!このバージョンで新録音してリリースしないかな。

■メッセージ性の強さ、それもマドンナらしさ

アフリカの子どもたちの写真を映し出す映像に、彼らが幼いままAIDSで死んでいくことを伝えるメッセージが被さる。十字架に磔になったまま歌うマドンナは、神を冒涜しているというより、悲しみに満ちた世界を憂いで、とてつもなく大きな慈悲をもたらす菩薩様のようでした。このあたり、涙腺がゆるんできちゃって…。
そして、「Isaac」でのイエメンの男性シンガーとマドンナの掛け合いが感動的で、まじ涙でした。

ノリノリのダンス・チューンばかりでなく、エンターテイメントの中に取り入れるにはヘヴィーなメッセージを、多くの観客が目と耳と意識を向けているステージの上だからこそぶつけてくるマドンナさま。皮肉もまじえながら。そんなマドンナというアーティストの特異性も堪能できる2時間でした。とは言っても、マドンナのそういう面を知らずにヒット曲だけお気に入りという人には、ちょいとヘヴィーすぎたかもね。

マドンナの特異点といえば、もうひとつ重要なこと。彼女はセクシィ・シンボルと呼ばれながらも、同性愛/バイセクシャルの世界と密接に関係を持って、彼らを味方につけることでその地位を揺るぎないものにしてる点。
というわけで、会場にはキレイに鍛えられた上半身をタンクトップ姿で見せつけてくれちゃう「いかにもな格好のゲイMEN」でいっぱいでした。「ここはAgehaか?」なんて言いたくなるくらい。
でも1人くらいはいるだろうと思った、レオタード姿の女子はいませんでした(笑)

■日本じゃ、ミッフィーの耳の方が…

それにしても…、ほんと、サイコーなステージだったなぁ。
余韻をいつまでも楽しみたくて、ついつい「YouTube」でステージ隠し撮りの映像を探しまくったりして(笑)
そうそう。この日のステージで印象的だったのは、ファンからもらったミッフィーのぬいぐるみを、耳を持ってステージを歩いていったマドンナさま。日本じゃ、キリスト教的表現の是非よりも、ミッフィーの耳を掴んで歩く方が「をいをい」でございますよ(笑)

@この日は開演が約1時間遅れ。アンコールはなし。でもこのツアーがそういうセットだった様子。どの会場でもそうだったみたい。

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Madonna - Confessions Tour 2006 オフィシャルサイト(英語)

■VJで印象的だった細胞分裂が繰り返され、やがてシンボルとなっていく映像。
これについて興味深い記事をネットで見つけました。
高家寺オフィシャルブログ法話集:マドンナの宗教性
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  by tzucca | 2006-09-25 01:20 | → ART&CRAFTS

若冲を見たか?ええ、先だって見てきました。

a0028078_2202879.jpgアートが好きといっても、美術展に足を運ぶのは年に1度あるかないかの僕。
通勤途中の上野駅に貼られた『紫陽花双鶏図』のアップを使った【若冲と江戸絵画展】のポスターを目にした時、「やばい。すっげーカッコいい」ってやられちゃってさ。
仕事面で精神的に鬱屈していて、人と話したくない、会いたくない、って引き籠もりモードになっていた7/16(日)、思い立ったように上野の東京国立博物館・平成館に観に行ってきたよ。

行ってよかった。すっごいいいものをもらってきた。
この【若冲と江戸絵画展】は、ロス在住のジョー・プライス氏がコレクションした、若冲をメインにした江戸絵画の里帰り公開。これほどの規模で開催されるのは、前にも後にも今回きりかも、とプライス氏がメッセージに寄せている内容です。

NHK教育の「日曜美術館」での特集、そして雑誌「BRUTUS」での特集と、すっごいスポットライトが当たっている、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)。


a0028078_2481413.jpgプライス氏は、あのフランク・ロイド・ライトとの交流から、建築と自然の理についてたくさんのことを学んでいたそうです。そして、大学卒業記念にスポーツカーを買うためのお金で、ニューヨークの古美術店にあった、若冲の「葡萄図」に一目惚れして購入。それが、プライス・コレクションのビギニングだったという、美術の世界では伝説ともなっているエピソードがあります。
当時日本では、若冲はまともに評価されていなかったようで、1970年代になり、異端・奇想という切り口で、今回公開されている曽我蕭白、長沢芦雪らとともにアーティストとしてスポットライトが当てられたそうです。伝統的な表現や題材でなく、アバンギャルドとも言える自由で独創的な表現は、海の向こうのプライス氏の純粋な目で収集されたコレクションによって、今僕らの感性をこんなにも刺激してくれるのは、本当にありがたいことです。
プライス氏が作品を集める時、その作者が誰か?ではなく、絵そのものの魅力を最優先してきたんだそうです。
だから今回の【若冲と江戸絵画展】に寄せたメッセージでも、「絵を前にして、自由に感じて欲しい」というような言葉があります。これって、本質的なことだし、ポリシーとして言葉にできることはすばらしいことだよね。

プライス氏の作品指向の感性は、今回の展示方法にも特別な趣向を凝らしてくれました。
これらの作品は、ガラス越しに見られるために描かれたわけではない。
ということで、会場は大きく2つのエリアに分かれていて、1つではガラス越しでなく直接掛け軸や屏風を目にすることができるのです。これって展示会場側からすれば、作品管理上ものすごく気を遣うことらしい(だろうねー)
さらに、「日本美術を鑑賞するには、光の果たす役割は非常に重要」というプライス氏の言葉から、ガラス越しでない作品展示ゾーンでは、1分間で朝の光から日暮れの光まで変化する特殊な照明を使ってるんですよ。劇的に作品の表情が変化するのを目にすると、作品とそれが置かれた空間とが共に生活しているかのような一体感に驚きます。とくに、「金」部分の表情が光によって全然違うの。


a0028078_2212449.jpgというわけで、展覧会ガイドのようなテキストをつらつら書いてきましたが、そろそろ若冲のことを。
作画上のテクニックがいくつか特長としてあるんだけど、それよりも驚かされるのは、「画」としてのデザイナー的感性です。絵画作品は、それ自体で時間と空間が閉じているというか、完結しているものがほとんどだと思うのですよ。写真のような一瞬をフリーズさせたものでも、幅のある時間軸を内包しているものでも、描かれたそのフレームの構図は絶対的なものです。
だけど若冲の作品は、一部分をトリミングして、そのままポスターや和モノのパッケージデザインに使えちゃうものが多い。現実の対象物を「絵」に描き込む時、写実的であったり伝統的表現であったりするよりも、見る側に直感的なインパクトを与えるための、ディテイルの明快さがあるんですよね。それって、デザイナーがグラフィックスを作り込む時のような感覚に近い気がするのです。
若冲が得意とする鶏図は、庭に飼ってじっくり観察した鶏を、まるで鳳凰のように気高く描いてるのがカッコいい。観察することで、細かいパーツのディテイルに思い入れが生じてくるのかな。細かく描きこまれていることで、かえって現実感が喪失して存在感だけがシンボリックに浮かび上がってくるの。または、カタチのミニマム化を行って、シンボル性を強調しているものもある。
遠近法でないオブジェクトの置き方は、シンボリックなパーツをPhotoshopのレイヤーで重ねていくようなパース感もあるし、それもまた今の時代の和ものグラフィックスとしても通用する新しさにつながってのかもね。

「BRUTUS」の表紙を飾り、宇多田ヒカル「SAKURAドロップス」PVにも登場した『鳥獣花木図屏風』を目にしたインパクトは、まさに息を飲んだって言葉そのもの。「これってデジタル?」ピクセル分解されたようなこの表現を、江戸時代に?若冲はタイムマシーンで現代を見てきたの?なんて思っちゃいました。近づいてよくみると、ピクセルというかタイル画のような描き方をしていたんだけど、こんな絵が江戸時代にあった、という衝撃はかなりのものでした。なによりそれが、動物たちが楽しそうに寄り集まっている楽園というイメージなのも、目にしたことのない江戸絵画じゃないですか。これって数年前六本木ヒルズの森美術館「ハピネス」展に出品されたんですよね。まさに「ハピネス」。背景には仏教的思想があるらしいんだけど、何も知らずに絵を前にして思ったのは、グローバルなピース・ワールドじゃんってもの。
すごいアーティストだ、若冲って人は。

すでにやたら長いテキストになっちまいましたが、最後にこれだけは自分で忘れないように書いておきたいことがあります。
この展覧会で集められた作品は、人物よりも植物や動物、季節を描いたものが圧倒的に多いんです。季節ごとの草花と鳥、動物、自然の風景など。展示会場のラストに近い頃になると、それまで見てきた作品群の、自然とともに同じスピードで生きている喜びが僕の中に立ち上ってきて、涙が出てきちゃったんですよ!
1日の光のうつろいの中、家の中で絵に描かれた自然とともに、生活している土地とともに時間を共有していく心の余裕。なんてすばらしいんだろう!
なんかね、ロハスという言葉にしちゃうと意味がずれちゃう気がするのだけど、分かりやすくいえばそういう感覚の洗礼を受けたような気分になったのでした。

@若冲のほか、この展覧会に出品されているの中では、鈴木其一の洗練されたイメージづくりが気に入りました。
あと大好きなのは、長沢芦雪!「書」のような潔い強さのある作品は圧巻の一言です。

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2006年8月27日(日)まで東京国立博物館・平成館(上野公園)で開催中。
それ以降、全国を巡回していくようです。
プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展・公式サイト
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  by tzucca | 2006-08-06 02:25 | → ART&CRAFTS

オペラの夜

友人からチケットがリーズナブルな価格で手に入るのですがいかがですか?とお誘いを受けたのが、
イタリア・ベッリーニ大劇場・日本公演「ノルマ」@上野東京文化会館。
42年も生きてきて、劇場でオペラを観るのはこれで2度目。
1回目は日本語版の「魔笛」だったので、本場イタリア・オペラ、初でございます。

素人なので、入場したらすぐにプログラムを購入して、ストーリーと見どころを予習。
オペラ好きな友人からは「長いよ」と言われていたから、ちょいと覚悟していたんだけど、これがすっごく面白かったの!耳になじみやすい旋律で、分かりやすい音楽なのがよかった。そして…、三角関係のドロドロを描くストーリーが、ゴージャスな昼メロを観ているよう!舞台両脇に設置されている電光掲示板の日本語字幕スーパーを目にしながら、ゆいと笑いを堪えてました。

舞台は、ローマ帝国の支配下にあるガリア地方。主人公のノルマねーさんは、部族の意志決定を司る巫女の長。ローマに対抗して戦おうぜ!と血気盛んな男どもを、「神はまだそれを望んではいない」と鎮めている。
でもそれは、本当の神の声じゃあないの。実はノルマねーさん、敵のローマの将軍とできちゃっててさ、2人の子供まで作っちゃってたの。でもこれはトップ・シークレット。ノルマねーさん、祖国を裏切るようなマネをしてまで、好いた男のために尽くしていたわけ。

ところがですよ。ローマの将軍さんは、ノルマねーさんから心離れちゃってて、若い巫女にぞっこん。

言い寄られている若い巫女は、上司のノルマに相談を持ちかけるわけ。その打ち明け話を聞いたノルマねーさんったら、「ああ、私もそうだった…。あの時の私。あの時の彼。」と思い切り共感モード。だから自分の願望をこめて「巫女としての責任はいいから、恋を成就なさい」とアドバイスするんだけど、そのお相手を聞いた時に運悪くローマの将軍が現れて、絶体絶命の3人模様!

ノルマねーさん、「私のことは捨てて、2人でどこへでも行けばいいわ!」と強がるものの「でも私の呪いからは逃れられないわ」「その恋は楽しめないわよ」と毒吐きまくり。
と、ここで前半が終了。

後半は、子供を殺そうとするノルマねーさんの葛藤から始まるの。
あの人との子供を殺したら、どんなにあの人は苦しむだろう。憎い!憎い!でも、母として、この子たちを殺すなんてこと…。

「呪ってやる!」という言葉に、僕もゆいも反応しまくり。
これだったら「牡丹と薔薇」もオペラにすべきじゃん、と思っちゃった。
というか、大衆芸能だったのね、オペラって、というのが分かりました。

ノルマねーさん役のディミトラ・テオドッシュウさん。オペラ初心者の僕でさえ、歌唱力のすごさに圧倒されましたよ。好いた男の心をつなぎ止めたい、でも憎い、恨めしい、プライドもある、それらの感情を歌い上げる声のなんと豊かなこと。
人の声が持つパワーを思い知りました。キモチの起伏を強引にシンクロさせてしまう歌唱力。劇場中の空気を支配する声。いやぁ、すんごい。
4時間ほどある本編のあとは、拍手がいつまでもいつまでも続いて、何度も何度もカーテンコール。
オペラっていいかも…。また機会があれば行きたいな。リーズナブルな機会があればね(^^;


ところで、もうひとつ感慨深いことが。
それは、子供の頃に何度も連れていってもらった上野の東京文化会館が、古さを感じさせないままそこにあったこと。前衛的な優れた建築物は、時が経っても生命力がみなぎっているんだなぁと。
僕は子供のころから「劇場」という空間が大好きで、上野公園に連れていってもらうと、必ず東京文化会館の中に入って、ただ劇場の中をうろうろして楽しくしてたんですよねー。
僕、なんでそっち方面に行かなかったんだろう…。
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  by tzucca | 2006-06-30 23:01 | → ART&CRAFTS

杉本博司「時間の終わり」@森美術館

a0028078_028096.jpg真っ白に輝くスクリーンに照らされる暗い映画館の内装。
暗闇の中で、スクリーンに上映される映画を見つめる映画館体験が、1枚の写真の中に閉じこめられている驚き。

ものすごいインパクトでしたよ。映画館を紹介するための内装写真とは決定的に違う、映画を上映している映画館のこれほど完璧なイメージって!
でもね。観ている僕がこれほど強く心を揺さぶられているのに、この写真を撮影した杉本博司氏は、決して感情に訴えるためではなく、コンセプトを実証するために作品を作っているんですよ。そのギャップに驚愕する写真展でした。

■この「劇場」という写真シリーズは、90分か120分ある映画を上映している間、スクリーンを露光しつづけて撮影すると、時間の経過とともに映っている画像=光が重なり続け、真っ白になるというコンセプトをカタチにしたもの。
映画そのものを撮影した写真だからこそ、暗闇での映画鑑賞体験をこんなにも僕に想起させるのね。

■きっちり1/2の上半分が空、下半分が海という構図で、無限の空間が平面に閉じこめられているかのような「海景」シリーズ。能舞台が設置された広い空間の壁に、等間隔で並べられたさまざまな海と空のグレーグラデーションの美しさったら!

■20世紀を代表する建築物を、無限大の2倍の焦点でねらい、夢の中の景色みたいなぼけた状態で撮影した「建築」シリーズ。"本物"は、ぼけて溶けたイメージでも確かに存在するという証。NYのグッゲンハイム美術館が2枚展示されていたので、なるほどなーと。

■この写真展のポスターには、左上に掲載した「劇場」シリーズの<U.A.プレイハウス、ニューヨーク>の他に、<シロクマ>を使ったものがあります。
氷の平野にいる白熊を、こんな完璧な構図でどうやって撮影したの?と思っちゃいますが、これはNYの自然史博物館のジオラマを本物と見間違う完璧なライティングで撮影したシリーズなんです。
フェイクであっても、写真に収まってしまうと真実を写したものとなる。そのコンセプトを知らなかったなら、笑えるほど完璧な動物のポーズと構図にビビっちゃいます。

■美術館での写真展ってめったに行かないけど、これは観る価値アリのアート・パワーでした。写真にしかできない表現を求めて、まずコンセプトありき、というのが僕にとっては新鮮でした。
だって、いつも僕がやっていることといったら、「素材」としての写真をPhotoshopで<コンセプト>あるものに加工することだから。

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展覧会の目録って、カラー印刷の点数からするとお買い得だったりするよね。
この杉本博司展の目録はちょっと高いんだけど、アナウンスされている印刷の手間を考えたらやっぱりお買い得。
でも品切れでした(TT)今は予約販売というカタチをとっています。

2005年11月27日・六本木ヒルズ森美術館

杉本博司「時間の終わり」森美術館公式サイト
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  by tzucca | 2005-12-05 00:28 | → ART&CRAFTS

小松亮太&ザ・タンギスツ・ファイナルツアー 北千住公演

a0028078_12465582.jpg北野武につづく北千住出身の輝く才能、バンドネオン奏者・小松亮太。
デビューから続いた、バンドネオン、ピアノ、バイオリン、ギター、コントラバスという5人編成ユニット・ザ・タンギスツのファイナルツアー北千住公演は、2日間3回公演がソールドアウト。生まれ育った地でのライブに、感慨深げなトークを挟みながら、スリリングで官能的な演奏に拍手喝采、聴き惚れました。

ピアゾラのタンゴに魅せられたのは、クラッシーな人たちの間でブームになった数年後。ウォン・カーワァイ監督「ブエノスアイレス」(1997年)のサウンドトラックに使われていたことがキッカケ。映画の内容とシンクロして聴いてしまってはいけないのかもしれないけど、スリリングながら心の内側に突き刺さるような切なさと繊細さにゾッコンになりました。
そのあと日テレの渡部篤朗+桜井幸子出演サスペンスドラマ「ラビリンス」で、ピアゾラのタンゴが使われていて、おおお!と感激したんだけど、その演奏をしていたのが若きバンドネオン奏者小松亮太さんだったんですよ。

小松亮太さんの演奏は、数年前にサントリーホールではじめて体験したのでした。
若いにーちゃんって感じの身なりで登場、ところが演奏が始まった途端に会場の空気が一変するかのような緊張感とエネルギーが広がっていって、びっくり。
その時はじめて、タンゴのあの独特な音色は、バンドネオンって楽器が奏でていることを知りました。無知ですみません。
弦楽器は「泣き」を奏でることができるけど、バンドネオンって楽器も「感情」をそのまま音に変えているかのような揺らぎがいいんですよ。時に鋭く、時に雄叫ぶかのように、感情の変化が奏者の動きとともにダイレクトに伝わってくるの。
ある意味すごくセクシーな楽器だなと。

ライブは、ピアゾラのほか小松亮太さんと熊田洋さんのオリジナルや編曲を含む、タンゴだけに捕らわれないバラエティーに富んだもの。
生身の人間に触れているかのような体温を感じるバンドネオンの音色、リードするピアノ、からみつくようなバイオリン、獣のようなコントラバス、心安らぐギター。スリリングでダイナミックで、優しく誘い込まれるかのようなメロディ。
うっとりと聞き惚れました。ほんと、聞き惚れました。
ヤバイです。才能フェチの心が揺さぶられます。

a0028078_1452647.jpgそんなわけですっかりミーハーになってしまった僕は、小松さんにサインをもらって一緒に写真まで撮っちゃいました(笑)
もし機会があったら、ぜひ一度聴いてみて欲しいな。実はもうCMやテレビ番組で耳にしているかもですが。

小松亮太・公式サイト

■この北千住「シアター1010」公演のレポートが、ソニー洋楽スタッフさんのBLOG「Rock番長皿屋敷日記」にステージの写真付きで掲載されています。
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  by tzucca | 2005-11-21 00:44 | → ART&CRAFTS

Queenのミュージカル「WE WILL ROCK YOU」

a0028078_184527.jpg新宿コマでロングラン公演中のQueenナンバーで構成されたロック・ミュージカル「WE WILL ROCK YOU」を友人G君のご招待で観てきたよ。
ストーリーは学園祭の出し物みたいなんだけど、歌われる数々のQueenナンバーは懐かしくて嬉しくて!
そしてラストはストーリーを振り切っちゃって、一大ROCK SHOWに。「伝説のチャンピオン」以降は、スタンディングで腕を振りながら、思わず涙目。感動というか、自分の中にある記憶がいっぺんに甦ってきて感無量になっちゃった。

Queenをリアルタイムで聞いていた世代の僕。でも一度もライブを観に行ったことがありませんでした。ミュージカルという手法でかなり歌唱力のあるアクターによって再現されたQueenのナンバーは、決して「本物」ではないんだけど、会場全体が「伝説」を共有しようという熱気によって、Queenのライブを疑似体験できちゃいました。
実際のQueenのライブではやることがなかったと記憶している「ボヘミアン・ラプソディ」のフルバージョンが生で聴けただけで、行った良かった〜!

女性陣がすごくいい感じです。フレディの高音域を伸びやかに歌い上げる"スカラムーシュ"もいいし、女性の女装って感じの濃ゆい存在感で迫る"キラー・クイーン"が最高。イメージぴったりじゃん。

a0028078_191753.jpgステージ背後のスクリーンに写し出されるCG映像が、これだけ大がかりなプロジェクトなのにチャチで笑えるんだよね。ストーリーに合わせて「フラッシュゴードン」みたいにB級SFなテイストを出すためなのかな。
「ROCKの伝説」をシリアスに捉えること自体、ちょっと照れ笑いしてしまうことがあるからね。ROCKって、ちょいワルでいーかげんなとこがあってMakin'Loveなとこが魅力なんだしさ。

公演が始まってしばらく経っているせいか、リピーターのお客さんもけっこういましたよ。全盛期からファンだったようなおじさんおばさんもね(俺らもだろ)。
ラストのLIVEで受けた感無量さは、Queenの全盛期と多感な少年時代が重なっていた僕ら世代の特権かもしれないー。
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  by tzucca | 2005-06-26 01:10 | → ART&CRAFTS

「おばけ探知機」搭載のUSBメモリー

a0028078_2342153.jpgお寿司や天ぷらのUSBメモリーを出しているソリッドアライアンスから、おばけ(=未知のエネルギー体)を検出することができるUSBメモリーが発売。
4月1日発売だから、エイプリルフールねたかと思いましたよ。でもまだページはあるし、楽天店でも売ってるし。…ねぇ、誰か買ってみてよ(おねだり)
楽天で買ってくれる。

香港の電脳集団AKKORD Internationalが開発担当したゴースト探知機能って、どういうものなの?
超常現象が起こる際に発生するといわれている微弱な磁界の変化と、身体的な変化を検出するセンサーで、ゴーストが検出された時は音と16個のLED点滅パターンで、ゴーストの種類を表示してくれるんだって。

商品解説ページで「より正確な検出のため、深夜0時に電池を入れてスタートさせてください。」というのが、どういう意味なのか分からないんだけど、そういうものなのかな?午前0時ってのが意味があるわけね(^^;
さらに続くコピー「深夜のひとり残業や真夜中のネットサーフィン時のセキュリティー用に如何ですか? 」に、深夜のひとり残業が多い僕としては、ひぃぃ!
もし、夜中にLEDが点滅しだしたら、どーしたらいいってのよっ!(^^;

だって。ウチの会社って出る噂あるしぃ。
実際見たわけではないんだけど、たしかに誰もいないはずなのに「人の気配」を感じることが時々あるのね。でも僕のいるフロアでは、イヤな感じやコワイと思ったことはないんです。なんとなく、同じ仕事をしている人の行動残像みたいな感じなんだよね。
でも上のフロアでは、時々すごくイヤな感じがするエリアがあって、照明が消えた後にそこを通るのはさすがにちょっとコワイ。力がある人に一度見てもらいたい気もするけど、知りたくない気もする(^^;

いるのかなぁ〜、ゴースト。
もし出ちゃった場合の対応策として、「ゴーストバスターズ」の掃除機みたいな吸い取り捕獲マシンも発売してくれればいいのに(えらい高額だと、怪しさ倍増だけど)



◆ソリッドアライアンス:プレスリリース「世界初のおばけ探知機能付きUSBメモリー『ゴーストレーダー™USBメモリー』を発売」
◆ソリッドアライアンス:ゴーストレーダー専用サイト
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  by tzucca | 2005-04-03 23:42 | → ART&CRAFTS

大(Oh!)水木しげる展@江戸東京博物館

a0028078_11004.jpg「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」でお馴染み〈水木しげる大先生〉の、荒俣宏・京極夏彦プロデュースによる大回顧展。
開催が明日までとあって、焦って行って来ました。
そしたらあーた、すっごい人!甘かった!江戸東京博物館・地下のいろんな部屋を使いまくった行列で、入場するのに約1時間待ち。

展示は、漫画による自叙伝パネルと豊富な原画、立体モデルなどで、水木先生の生い立ちから、片腕を失うほどの重傷を追った悲惨な戦争体験、極貧の紙芝居画家生活、160冊以上描き続けた貸本漫画家生活、大ブレイクして多忙な日々を送る雑誌漫画家生活──を振り返り、水木ワールドそのものと言える妖怪たちの世界でしめくくる構成。

水木先生の人生は、「エリート」という言葉からもっとも遠いもので、流れに身を任せながらも、好きなことだけをして生きてきたというピュアな輝きを放っています。
がんばりすぎない人生、と言いながらも、水木先生の描く絵って、キャラクターは独特のタッチですが、背景の描き込みはもの凄いですよね。スクリーントーンではない点描や斜線のすさまじさがコワイですぅ。
独特な着色のカラー・イラストは、はじめにモノクロで描いてからコピーをとって、そこに日本画の顔料で着色していたんですね。
戦地経験の画や作品からは、画力のすごさとともに、日本も戦争してたんだっていうリアルさを、ほとんどが若者の来場者にストレートに訴えてました。

貸本漫画家時代は、まったく違う絵柄で、時代劇やサスペンス、SF、戦記ものを描いてたんですね。資料のほとんどは、保存状態がすごく良くて、そんな昔のものだとは思えないんですよ。収集家の心意気、ここに有りです。

作品中に登場する小道具などを立体造形物にして、発掘された収集物みたいに展示されていたのがユニークでしたよ。実物大の鬼太郎の住居は、子供のようにいろんな方向から覗き込んできちゃった(^^)
ただ、マンガによるパネルは、読むのにどうしても立ち止まってしまうから、人の流れが問題。せめて導線を直列にして欲しかった。

この回顧展は、漫画家の作品展というより、水木しげるという人間の生き方を強烈にアピールしています。なんていうか、とんでもないパワーをもらっちゃいました。
40歳でもまだ極貧で、親の勧めでお見合いした女性と10日後にもう結婚だなんて、びっくりエピソード。
ひょんなことから最悪の事態を招いてしまっても、人生の一大事を迎えても、生きて、描き続けていくすごさ。振り返ってみたら、とんでもない偉業に。
超リスペクトです!水木先生。


江戸東京博物館:企画展|大(Oh!)水木しげる展
げげげ通信:「水木しげる」と「水木プロダクション」が作るページ。
水木しげる記念館_(ノΘ..ヾ):水木先生の生まれ故郷、鳥取県境港市に建てられた記念館。今回の企画展のほとんどは、この記念館で観ることができるようです。
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  by tzucca | 2005-01-09 23:55 | → ART&CRAFTS

朝隈俊男シリーズ・動物の気持ち

a0028078_2151394.jpgウチのチームで突然のブームになっているのが、YUJINから出ている「朝隈俊男シリーズ 動物の気持ち」フィギュア・シリーズ。
今週誕生日だったAKIRA+とミネトモが持っているのを見た時、なにこれー、おちゃめー!きゃー!ってココロオドっちゃいました。
僕も欲しいー!とセブン・イレブンに行ったんだけど、食玩じゃなくて1個525円なんですよね。いつものオトナ買いはできず、1人1個ずつ買ってきました。それぞれがコンプリートしても仕方ないから、みんなで集めようよね(^^;

角度変えてみると、表情の面白さがいろいろ楽しめます。そして、いろんなストーリーをこのポーズからイメージできちゃいます。

朝隈俊男氏の作品シリーズ、実はこれで第3弾なんですね。第1弾は「犬の生活 パート1」で、腕組みするブルテリアがめっちゃステキ!
このブルテリアくん、高さ24cmのやつも限定1000体で出ているんですね。

なごむ。なごむわ〜。

朝隈俊男オフィシャルサイト
ヤマシロヤの「朝隈俊男展」ページ:動物の気持ちと犬の生活 パート1のフィギュアを見ることができます。この「朝隈俊男展」では、ヤマシロヤ限定ヴァージョン・ブルテリア発売のお知らせも!
「動物の気持ち」発売メーカーYUJINのサイト
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  by tzucca | 2004-10-28 23:55 | → ART&CRAFTS

自宅の居間はネイキッドな蛍光灯

フォーラムでのトークは、SF映画からインスパイアされて蛍光灯のある風景をサイバーなイメージに見立てるという内容でした。
時間の都合でカットしたのですが、ほかにも蛍光灯に魅力を感じるきっかけとなったものがあります。
それは、バブルといわれた時代の後期、コム・デ・ギャルソンのショップ照明が蛍光灯だったこと。コム・デ・ギャルソンの攻撃的ともいえるイメージづくりとアートな服。それが、どこにでもある蛍光灯を使った真っ白な空間で陳列されている斬新さに、衝撃を受けました。そして知った、カバーをつけずに蛍光灯そのままを照明具として使うカッコよさ。

自宅の居間は、ロフトがあるので天井の高さが一番高いところで5mあります。そこに設置する照明具を考えた時、ゆいと2人で選んだのは、蛍光灯をそのまま天井からぶら下げること。ところが当時、そんな家庭用照明器具はほとんどなかったんですよ。蛍光灯は、カバーの内側に隠れているのが「当然」だったんですね。
オフィスではカバーをつけない蛍光灯が当たり前なのに、住宅用に使えるものってほんとなくて、自作しないとダメ?とか思いましたよ。
ヤマギワのカタログで、イメージに合うものをやっと探し出したのですが、とっても高かった(汗)結局、2世帯住宅の中で一番高額な照明が、この2本の蛍光灯になったのでした。

トークで話せなかったもので、もうひとつ。
蛍光灯が美しく映像に映っている映画は、なにもサイバーなSF作品ばかりじゃありません。1967年のフランス映画ジャック・タチの「プレイタイム」。
おすすめされて、不本意にも昨年はじめて観ました。
モダンな人工美のセットを背景に、ガラス張りの空間に閉じこめられた「人間」を動物園の動物をみているかのように見物している映画。ストーリーらしきストーリーはなく、主人公らしき主人公もいない。ただただ画面の美しさとおかしさを楽しむ、斬新な映画です。
1967年の日本ってどうだったのかな。この作品に登場するエスプリな人工美とセンスは、今みてもとってもおシャレ!カッコいい!
そして、オフィス空間での蛍光灯の白い光が、とても美しく画面に焼き付けられています。SF映画みたいでした。あ、また、SFになってしまった(^^;

ちなみにこの「プレイタイム」は公開時歴史的大コケで、21世紀になってからアニエスbがデジタル修復版に出資して蘇りました。この70ミリプリント版がカンヌで上映された時、かのデビッド・リンチ先生涙を流したとか。
「プレイタイム」を観るまで分かりませんでしたが、リンチ作品の元ネタがいくつかここにあったんですよ。インスパイアされたんですねー。

ということで、蛍光灯ねたがまたなにかあれば、ここに書いていきますね。
みなさんからの情報も欲しいので、おすすめ蛍光灯ねたをコメントいただければ嬉しいです。
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  by tzucca | 2004-09-19 00:08 | → ART&CRAFTS

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