「チャーリーとチョコレート工場」

a0028078_0461538.jpgティム・バートン作品が大好きな僕ですから、初日に観て当然の作品なんだけど、体調がよくなってきた11月3日になってようやく観ることができました。

エキセントリックなジョニー・ディップといい、『オズの魔法使』のような極彩色の画面といい、「やってくれるねぇ!バートン先生!」と予告を観て期待しまくり。
だけど、これがチャートの1位を独走するほどの大ヒットになるとは!
ティム・バートンのスゴサは、マニアックでダークなテイストを持ち味にしていながら、ちゃーんと興行的な成功に結びつけることができる手腕です。
いくら根がオタッキーで屈折しまくってても、きちんとエンターテイメントとして成立する作品に仕上げるバランス感覚とさじ加減!これこそダークサイドに片足突っ込んだ屈折くんたちが、世の中からハブにされず人気者でいられるための神の技でございます。見習わないといけませぬ。


子供の描く絵って、シュールで奇怪。といっても、子供の頭の中が想像力豊かなファンタジー・ワールドかといえば、そういうワケでもないよね。
知っている現実が飛び石くらいしかないから、その間の空間を知ってる現実で勝手に埋め合わせていくと、<子供らしい自由な発想>になるわけで。それって、オトナになった今でもやってることだけども(^^;
自分がガキだった頃を考えると、物事分かっちゃいねーのに、ディティールをいいかげんにした<子供だまし>なものって、心動かなかった。
子供も楽しめるエンターテイメントって<コドモに勝つ>自由な発想とディティールの作り込みが必要なんですよ。(「NIKITA」の<コムスメに勝つ>からいただきました)
「チャーリーのチョコレート工場」は、まさにコドモに圧勝!なファンタジーワールド。
ストーリーだけをなぞってしまうと、テーマパークみたいな展開と教訓的なメッセージだけになってしまいそうだけど、そこはわれらがティム・バートン先生、ブラックな笑いをふんだんに盛り込んで、しかもハートフル。おいしいお菓子は、必ずしもカラダにいい食べ物じゃないのよん、って感じ。

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15年間、ウィリー・ウォンカ以外誰もいないはずなのに、毎日商品が出荷されている謎の巨大チョコレート工場。その工場がついに公開されることに。ただし、ウォンカ製板チョコレートに入ってる「金のチケット」をゲットした5人の子供にだけ。

絵に描いたような貧乏な暮らしで、家族の愛だけはしっかり受けて育った少年チャーリーは、ラッキーにも「金のチケット」をゲット。
他の4人のコドモは、金にモノ言わせて「金のチケット」をゲットするような、憎たらしいやつら。子も子なら親も親だよ、という親子5ペアが招かれた工場の内部は、常識的な工場とはかけ離れた、テーマパークのような異次元空間!

原色に彩られたお菓子の森とチョコレートの川と滝。そこで働くのは、身長75cmのウンパ・ルンパ族。ウンパ・ルンパは、みーんな同じ顔。男も女も同じ顔。
あははは。これだけでもう拍手。
原色の巨大セットと小人の組み合わせは、大好きな『オズの魔法使』を彷彿させるシーン。マニアックな映画作家は、みーんな『オズの魔法使』が大好きなんだねぇ。
『オズの魔法使』はミュージカル映画だから、この作品でもマンチキンたちの唄に匹敵するミュージカル・シーンが登場!
憎たらしいコドモたちが1人また1人、自業自得で酷いことになってしまうと、同じ顔したウンパ・ルンパがいっぱい出てきて歌い踊るんだよね。わははは。大拍手!やられた!
その歌と踊りは、1回1回スタイルがみんな違うの。ヒップホップ、ディスコ、クイーンばりのロック…。
このアイデアだけでも、「チャーリーとチョコレート工場」はすでに二重丸を獲得です。

川を舟で下っていく件は、ねずみーらんどのアトラクションみたい。
そして次々と憎たらしいコドモらが順に懲らしめられるのは、気分爽快。
僕は、パールのジャンバーにシアンのジャージという、いかにもハリウッド・セレブな出で立ちのバイオレット親子が、妙に気に入ってたのさ。「勝ち組」でありつづけることを親子ともども人生信条にしている雰囲気が、なにげに好き。で、どんな懲らしめ方されちゃうのかなー?ってわくわく(^^)

「チャーリーとチョコレート工場」は、ジョニー・デップ主演作ではもっとも興行的に成功した作品なんだって。繊細さの中にワイルドさがあってカッコいいとされるジョニーが、今回は怪しいおにーさんに徹していてよございました。会話の途中で、突然自分の世界に入って意識がどっか行っちゃうのが面白い。他人とコミュニケーションしなれていない、ぎこちない会話と表情のつくり方がうまかった!

今の時代、このテの映画となれば、全編CGだらけだろうと思いましたが、役者が演技をする部分はできるだけ実物大セットで撮影したようで、いい感じに作りものめいた世界観がリアルに表現されていました。つまり子供だましでないディティールのこだわりが徹底していて、画面の中にすんなり意識が入り込んでしまいました。
これってドラッグのトリップ感覚っていうの?
CGの使い方も、現実的でないリアルをさらにリアルに見せるための匠の技って感じで、気のふれた芸術家の頭にあるイメージをダイレクトに観ているようでキモチよかった!

涙を誘う佳作「ネバーランド」に続いて競演となるフレディ・ハイモア(チャーリー)とジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ)。フレディ少年の表情ってば、童話の主人公にはあんたしかいないよってくらい、純粋さに溢れていてズルイ。あまりに理想的な少年だから、10年後の姿を見たくないかも(^^;
ウォンカの歯科医をやってるお父さんもいい味だったな。ドラキュラ役者として歴史に残るクリストファー・リー。最近は「ロード・オブ・リング」のサルマン役ほか「スター・ウォーズ1〜3」にも登場してましたね。SF/ファンタジー映画で彼が出てくると、作品が松竹梅の「松」クラスになるって感じなのかな。
個人的にはチャーリーのお母さん役ヘレナ・ボナム=カーターが好きなので、このファンタジーワールドにも彼女がしっかりハマっていたのが嬉しかったな。ヘレナとジョニーは、つづいて「コープス・ブライド」の声の出演もしてますね。もうすっかりティム・バートン組!

僕はとってもチョコレートが好き。年に何度かは、ゆいがチョコをカバンにしまっておくと「チョコの臭いがする!どこだ!」と獲物を狙う目つきになるのだそう。封を切っていないのによくチョコの臭いが分かるね、とビビられます。
ヴァージンTOHOシネマズ六本木では、劇場内にチョコレートの臭いを漂わせる演出をしています。たしかにほのかなチョコレートの臭いはしましたが(席によってはもっと香ったかも)、あまりおいしそうには感じませんでした。
香りの演出はともかく、この映画を観ると、外国製の板チョコが欲しくなるね!

@「コープスブライド」も早く観にいかないとぉぉ!(TT)

「チャーリーとチョコレート工場」公式サイト

「チャーリーとチョコレート工場」QuickTime予告ムービー
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  by tzucca | 2005-11-12 23:28 | → MOVIE

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