クールなエクソシスト「コンスタンティン」

「マトリックス」シリーズの番外編みたいじゃん?と予告編やCMを観るかぎり思っていたんです。キアヌ・リーヴスとSFXアクションとくれば。
いやいや、「マトリックス」とはまた別の魅力に溢れた、かなり気に入った作品でした!「アビエイター」のような一流の作品もいいけれど、何度も観たい!と思うのはこういうパワフルなホラー・アクションなんだなぁ、自分の場合。

冒頭、いきなりの悪魔払い。テンポのよさと音響の迫力で、映画的つかみはOK!
そこに登場する、ヘビースモーカーで「クソッタレ!」と悪魔を罵るキアヌ演じるコンスタンティン。のっけから「マトリックス」のネオとは違うキアヌの言動に、イメージの切り替えが煙草1本燃え尽きる時間分でできちゃう展開。

子供の頃から「見えないものが見えてしまう」能力に苦しんでいたコンスタンティン。若い頃自殺を図り、たった2分間だけの死から戻ってきたことで、地獄と行き来できる能力まで身につけてしまい、人間界に潜む掟を破った地獄の住人をボコボコにして、地獄に送り返すことを家業とするようになった男。
キリスト教では、自殺は許されないこと。自殺した者は天国へは行けない。
コンスタンティンは、自分が葬った罪人と同じ地獄なんかにゃ行きたくねーよ、と天国行きをめざしてせっせと悪魔払いをして点数稼ぎをしている。そんなことしても、まだ全然足りないと、大天使ガブリエルに言われながらも。
余命1年の肺ガン患者なのに、ガンガンにタバコを吸いまくり、他人のことなんか関係ねーよというクールさがすごいマッチしてるキアヌ君。これは新たな当たり役を手に入れましたなぁ!

金のかかったB級映画って、イカしてます。
さらに映像センスが光っていれば、サイコーです(「エイリアン」のようにね)
これが初監督作となるフランシス・ローレンスは、MTVやCMでは実績のあるディレクター。新しいとこでは、ジャネット・ジャクソンとミッシー・エリオットが競演した"Son Of A Gun"のPVがいい感じに魔界っぽかったので、注目してたんだ。

「コンスタンティン」は、ハデなSFXもいいけど、目を引いたのはロスのダウンタウンの映像。いかにもな映画的照明でなく、自然光や実際にある照明器具からの光で照らされた感じの映像。まるで東京の夜景のような生々しい空気感を、ハリウッド映画で観るとは思わなかったよ。この映画では、<地獄>は同じ場所の違う層に存在する世界とされているから、<人間界>が作り物めいた映像じゃマズかったのでしょう。
凝った映像としては、イスに座ったコンスタンティンが<運命の槍>を追うサーチ・イメージがグラフィカルでウットリしました。
MTV出身の映像クリエイターが劇映画を撮ると、映像に凝るのは当たり前なんですけど、自己満足に走らずキャラクターを中心に描いたことで、映画としてちゃんと成立してたのが、フランシス・ローレンスの賢いところ。

キリスト教や天国、地獄の知識が必要か?と言えば、あれば当然楽しめるでしょうけど、なくても「そういうものなのね」と受け入れちゃえばOK。コミックスが原作だから、ストーリーやキャラ設定はシンプルで分かりやすく、重々しくないのがいい。
(「エヴァンゲリオン」にハマって用語の意味を調べた人には、分かりやすいかも)

クライマックスでコンスタンティンは、ルシファーと対面します。
ミッキー・ローク主演の「エンゼル・ハート」では、デニーロがルシファーとして登場しましたよね。この「コンスタンティン」のルシファーも、けっこういかしてましたよ。うふ。
大天使ガブリエルも人間の姿で登場しますが、演じたティルダ・スタントンが、中性的でいい感じなんです。デレク・ジャーマンの作品にいくつも出演していた女優さんなんですよね。いいキャスティングだと思いました。ルシファーさんともども。
だってキリスト教は、そっち系を認めてませんもんねぇ(^^;
「地獄はいいぞぉ、オトナのテーマパークみたいで…。」というルシファーの囁きに「そうだねー、天国は退屈かもねー」と思えてしまう人は、この映画おすすめします!音響効果がかなりハマってるので、ぜひぜひ音のいい映画館でどうぞ。そうそう、エンドクレジットは最後までちゃんと観てね!

(2005年5月7日 バージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ Screen5)


「コンスタンティン」日本版公式サイト
[PR]

  by tzucca | 2005-05-08 23:36 | → MOVIE

<< タイフェス! 箱根・富士屋ホテルの休日 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE