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大(Oh!)水木しげる展@江戸東京博物館

大(Oh!)水木しげる展@江戸東京博物館_a0028078_11004.jpg「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」でお馴染み〈水木しげる大先生〉の、荒俣宏・京極夏彦プロデュースによる大回顧展。
開催が明日までとあって、焦って行って来ました。
そしたらあーた、すっごい人!甘かった!江戸東京博物館・地下のいろんな部屋を使いまくった行列で、入場するのに約1時間待ち。

展示は、漫画による自叙伝パネルと豊富な原画、立体モデルなどで、水木先生の生い立ちから、片腕を失うほどの重傷を追った悲惨な戦争体験、極貧の紙芝居画家生活、160冊以上描き続けた貸本漫画家生活、大ブレイクして多忙な日々を送る雑誌漫画家生活──を振り返り、水木ワールドそのものと言える妖怪たちの世界でしめくくる構成。

水木先生の人生は、「エリート」という言葉からもっとも遠いもので、流れに身を任せながらも、好きなことだけをして生きてきたというピュアな輝きを放っています。
がんばりすぎない人生、と言いながらも、水木先生の描く絵って、キャラクターは独特のタッチですが、背景の描き込みはもの凄いですよね。スクリーントーンではない点描や斜線のすさまじさがコワイですぅ。
独特な着色のカラー・イラストは、はじめにモノクロで描いてからコピーをとって、そこに日本画の顔料で着色していたんですね。
戦地経験の画や作品からは、画力のすごさとともに、日本も戦争してたんだっていうリアルさを、ほとんどが若者の来場者にストレートに訴えてました。

貸本漫画家時代は、まったく違う絵柄で、時代劇やサスペンス、SF、戦記ものを描いてたんですね。資料のほとんどは、保存状態がすごく良くて、そんな昔のものだとは思えないんですよ。収集家の心意気、ここに有りです。

作品中に登場する小道具などを立体造形物にして、発掘された収集物みたいに展示されていたのがユニークでしたよ。実物大の鬼太郎の住居は、子供のようにいろんな方向から覗き込んできちゃった(^^)
ただ、マンガによるパネルは、読むのにどうしても立ち止まってしまうから、人の流れが問題。せめて導線を直列にして欲しかった。

この回顧展は、漫画家の作品展というより、水木しげるという人間の生き方を強烈にアピールしています。なんていうか、とんでもないパワーをもらっちゃいました。
40歳でもまだ極貧で、親の勧めでお見合いした女性と10日後にもう結婚だなんて、びっくりエピソード。
ひょんなことから最悪の事態を招いてしまっても、人生の一大事を迎えても、生きて、描き続けていくすごさ。振り返ってみたら、とんでもない偉業に。
超リスペクトです!水木先生。


江戸東京博物館:企画展|大(Oh!)水木しげる展
げげげ通信:「水木しげる」と「水木プロダクション」が作るページ。
水木しげる記念館_(ノΘ..ヾ):水木先生の生まれ故郷、鳥取県境港市に建てられた記念館。今回の企画展のほとんどは、この記念館で観ることができるようです。

  by tzucca | 2005-01-09 23:55 | → ART&CRAFTS

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