映画「ターミナル」

テレビやラジオで耳に入ってきた曲のサビが気に入って、1曲フルに聴いてみたら、思った通りの割といい曲だった。そんな感じの映画でした。

東ヨーロッパの小国クラコウジアからやって来たビクター・ナボルスキーは、祖国がクーデターによって消滅してしまい、パスポートが無効に。ビクターは空港の外に出ることが許可されず、帰る国もない無国籍人として、空港の乗り換えターミナルで、入国許可が下りるのを「待つ」生活を数ヶ月送ることになります。いろんな人種が行き交い、目的地までの通過点である空港に、ただ独り立ち止まっていることから見えてくる、空港という特殊な場所で起こる小さな人間ドラマ。
ビクターがニューヨークにやってきた目的は?「待つ」ことを期待に変えてくれた国際線スッチーのアメリアとの仲は?
行き交う人の分だけ、それぞれの人生ドラマがあります。状況はかなりシリアスなのに、ナボルスキーの素朴で純粋すぎる人柄によって、言葉も心も通じない異国の地が、だんだんアットホームなあたたかい人の輪になっていくのが、観ていてキモチがいいですね。なんだか、人情ものの落語みたいです。
トム・ハンクスが出ているから、スピルバーグ作品なのですが、ビリー・ワイルダーが作る映画みたいだなとも感じました。

「ターミナル」は、祖国がなくなって空港から出られない男、というシチュエーションありきのストーリーです。
小説や舞台であったなら、ドラマを展開するのも可能なこのストーリーを、映画にするとなったら、<空港>という場を作り上げなくてはなりません。いったいどれだけの交渉と書類が行き交ったのか、想像もできないです。
安全上の問題から、実際の空港での撮影はムリということで、映画の空港はすべてセットなんです。これは、歴史スペクタル映画並の壮大なセットですよね。磨かれた石の床やエスカレーター、テナントのショップ、そして空港を行き交うおびただしい人数のエキストラ。映画自体は決してハデな内容ではないのですが、画面に写るすべてのものは「さすがにハリウッド映画!」と驚愕ものです。

出れば<悪女>のキャサリン・ゼダ=ジョーンズが、今回のスッチー役ではとってもチャーミングなのにビックリ。立場的に悪役になってしまう国境警備局主任のフランク・ディクソンは、立ち居振る舞いをすごく自然に演じていてステキです。
そして、ターミナルのインド人清掃員グプタを演じたクマール・パラーナの味は、とっても印象に残るスパイスでした。

僕は、歳を追うごとに「待つ」という行為ができなくなってきているのですが、実際に並んで待つという行動でなくても、人はなにかしらを「待って」生きているのかもしれないですね。期待通りの結果が待ってくれるばかりではないのですが。

(2005.1.4 ヴァージンシネマズ六本木スクリーン7)


「ターミナル」公式サイト
モデルとなったフランスの「空港男」と、日本にもいた「空港男」
YAHOO!JAPAN Movies 「ターミナル」特集(2005.1.6まで掲載)
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  by tzucca | 2005-01-05 00:33 | → MOVIE

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