よい人

会社帰りの大江戸線は、たいてい座ることができる。
大江戸線はなにげによく眠れるから、座ってすぐに寝入ってしまった。iPodで「きみまろ」を聞きながら。
いつもは、不思議なくらい降りる駅の少し前でちゃんと目が覚めるのに、今日は完璧に熟睡モード。
意識が覚醒した時、目の前にはダークグレーの布。んぁ、枕?ここ、どこ?
そこでギアがガッ、ガッ、ガッとシフトアップ。一気に状況を解析。
俺は、右隣に座っていたスーツ男に思い切りもたれかかって、寝入っていた様子。いや、目を覚ました視界からして、もたれかかるなんてもんじゃなく、股におでこつけて寝ていたかも!(すげームリな体勢じゃん)
「す、すみませんでした。ごめんなさい。」
目を合わせるのも恥ずかしく、早口で謝る。男は、とくに怒っている様子ではないけど、ちょっと頭下げただけで無言。やべぇわ、俺が若い女の子ならともかく、悪いけどあなたより年上の男かもですよ。

車内が全体に明るくなった。駅構内に入ったらしい。助かった、気まずいからここで降りよう。ふと窓から駅のホームを見る。げげっ、2駅乗り越してる!
停車するとドアが開くよりも前に立ち上がり、隣の男に一度頭を下げて、逃げるようにホームの反対側へ歩き出す。
ふ〜。俺としたことが、失態だわ。
反対方面の電車はすぐには来なくて、ホームでぼぉ〜と立ちつくしていた。
なにげなくホームの奥に目をやる。
ええっ?
さっきの男が、ホームの奥で、電車を待っている。
咄嗟に俺は、柱の影に身を隠す。
どういうことだろう?もしかして俺のせいで、彼は降りる駅で降りられなかったのでは。起こしても起きなかったのか?俺。それとも、とてつもなくいい人なのか!?

俺は、柱の影にぴたりとはりつき、早く電車来てくれぇと願うばかりだった。
耳には、「きみまろ」トークライブのおばちゃんたちの笑い声が鳴り響いていた。

@先週の金曜日の夜の出来事。「春日」駅まで枕にしてしまった方
、ごめんなさいでした!
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  by tzucca | 2004-11-16 01:36 | → LIFE

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